人間というのは本当に勝手な生き物だなあというお話を、私を例にとりまして…。
去年、買い替えた車にはスピードメーターの左上に「ECO」という緑色のランプがついています。これは速度に応じて燃費のいいアクセルの踏み方をしていると点灯するようで、常時ランプがついているような走り方を心がけていると、確かに燃費がいいのですね。
しかし、必要に応じて車を使うにしても、たまにはストレス発散も兼ねて、警察のお世話にならない程度にちょっとスピードを出したりしていたのですが、心境の変化というものがありまして、このところ「エコドライブ」に徹しています。
すると、今までは自分の前をゆっくりと走る車にじれたりしていたのが、かえって後ろにくっついて走ることの方が落ち着いた気分で運転できるようになったり、後ろに車がくっつくと「エコドライブ」を邪魔されないように、左に寄って先に行ってもらったり…、とにかく走り方ががらりと変わってしまったわけです。
そして、低速の回転域で車が適切なギヤーを選ぶのに右往左往するような時があって、前へ進みたいのか戻りたいのかウロウロする車をかわいそうに思ったものですが、「この車は、いい燃費で走るために一生懸命頑張っているんだ」と思えるようになり、かえって愛おしく思えるようにもなりました。
本当に人間というものは勝手なものだなあと思うのであります。
「エコドライブ」のご褒美はガソリンを給油する時はっきりと数字になって表われてくれるので、「あなたは良く辛抱して『エコドライブ』に徹し、地球の資源保護に多大の貢献をされました。よってここに表彰します。」みたいに、勝手に一人で悦に入ったりしているのであります。
エコドライブ